「キャンサーロスト」とは、キャンサーギフトの対義語として、「がん罹患による喪失や挫折」を表す、一般社団法人がんチャレンジャーによる造語です。
弊法人のアンケート調査によると、約8割(79.1%)の方が、がん罹患経験者がキャンサーロスト体験を抱えていることが浮き彫りとなりました。
また、キャンサーロストといえるような喪失体験をした方のうち、「乗り越えられたと思う」と答えた方は3割(28.2%)にとどまり、多くの方は未だ完全には乗り越えられていないという事実も読み取れました。
そこで今後、そうしたキャンサーロストに今も苦しんでいる当事者の方を少しでも応援していくべく、さまざまな形で、この事実を普及していきたいと考えています。
この度、『キャンサーロスト 「がん罹患後」をどう生きるか』(小学館新書)刊行に伴い、小説版『キャンサーロスト』の無料ダウンロードを開始いたしました。ぜひこちらも合わせてご一読くださいませ。
「治療後の人生」を過ごすためのアドバイス
5年生存率の上昇によって、今やがんは「死に至る病」から、「生涯付き合っていく病」となりつつあり、しかも現役世代の罹患は3分の1にのぼる。復職や収入減、結婚や出産など、がんを抱えながら生きる難しさ(キャンサーロスト)に向き合う方法をまとめた一冊。
著者の花木裕介氏は38歳の時にステージ4の「中咽頭がん」が判明。幸いにも約9か月の治療で病巣は取り除かれ、復職も果たしたものの、重要な仕事は任せてもらえず、残業の制限などもあって給料は激減。罹患前に描いていた人生のキャリアプランは大幅に修正・縮小を余儀なくされたーー。
花木氏自身と、同氏が代表を務める一般社団法人「がんチャレンジャー」を通じて交流した罹患者6人のキャンサーロスト体験をもとに、罹患者本人はどう喪失感に向き合い、家族や職場などは罹患者にどう接していくべきかを探る。さらに、がん罹患経験者を巡る環境について、医学博士・医療経済学の専門家である真野俊樹氏(中央大学大学院教授)が解説。
これまであまり伝えられることが少なかった「罹患後の大変さ」をリアルな体験を踏まえて紹介し、「治療後の長い人生をどう過ごすか」をアドバイス。
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