Q20.「寄り添い方」と言っても、相手の性格や症状などが違うので、その都度どうしたらいいのか迷ってしまいます。そうなると結局、何もできない自分がいます。(Pさん・男性・50代)

相手の方の性格や病状などが違うため、

毎回どうしたらいいのか迷ってしまって

いらっしゃるのですね。

Pさんのお気持ちよく分かります。

 

コミュニケーションはただでさえ

個別性が求められるものです。

 

それに加えて、がん罹患者の方へのかかわりとなると、

さらなる注意が必要と思われるのは

自然なことかと思います。

 

同じ言葉でも、タイミングや相手によって、

全然違う受け取り方をされてしまうことを考えると、

なかなか一歩を踏み出すことに

躊躇をしてしまうかもしれません。

 

そんなときのために、

私がご提案するのは次のような声かけです。

 

「もしよかったら、あなたが考えていることや

望んでいることを可能な範囲で教えていただけませんか?」

 

このひと言によって、

まずは相手の方の状況を伺ったうえで、

そのあとに最適なかかわりを考えていく方法です。

 

相手にとって善かれと思っていても、

それが本当に相手のためになっているかどうかは

正直分かりませんし、

知らず知らずに傷つけてしまっている可能性もあります

 

だからこそ、最初に相手の方の想いや考え、

望んでいることを聴かせてもらうというスタンスを取るのです。

 

もちろん、「まずは話を聴かせてほしい」

というかかわりそのものを拒否される方も

いらっしゃるかもしれませんが、

それであれば、

「それではまた何か私にできることがあったら

いつでもお声かけください」と言って

距離を取ればよいと思います。

 

いずれにしても、

「何かできることをしたい」と

思っているあなたのお気持ちは、

相手の方にとってうれしいことのはずです。

 

まずはそのお気持ちを伝えるだけでも、

相手の方は救われるのではないかと

罹患経験者として感じています。

 

(了)

 

回答者:花木裕介(一般社団法人がんチャレンジャー 代表理事)