Q5.同居している姉ががんになり、何ができるか考えていますが、先日も感情的に怒鳴られてしまいました。無力感を覚えています。(Aさん・女性・30代)


身近な存在であるお姉さんががんにかかられたということで、大変なショックを受けていらっしゃるかと思います。「何かしてあげたい」という気持ちも痛いほど伝わってきます。にもかかわらず、感情的にどなられてしまったということで、Aさんが無力感を抱くのは無理もありません。


しかし、私ががん宣告されたときもそうでしたが、罹患者にとって、自分の感情を吐き出せる場というのはそれほど多くないということも事実です。たとえ病気になっても、人間が社会的な存在である以上、人間関係などは簡単に変わるわけではないですし、できるだけ家族以外の他者には迷惑や心配をかけたくないもの。


そうなると、つい身近な存在である姉妹や両親に、気持ちをぶつけてしまうものなのかもしれません。もちろん、非もなく怒鳴られるAさんのお立場的にはやるせない気持ちになるかもしれませんが、逆に、「気の置けない私にだからこそ、他では出せない感情を吐き出せているんだ」と考えられないでしょうか。そして、そういった場があることは、お姉さんにとって十分価値のあることのはずです。


今後も、「話くらいなら聞けるからいつでも言って」と声を掛けてあげるだけで、お姉さんは精神的に救われると思います。


Aさん、あなたは無力ではありません。十分、お姉さんの力になっていると私は思います。


(了)


回答者:花木裕介(一般社団法人がんチャレンジャー 代表理事)