Q3.職場の部下ががん罹患しました。どう接したらいいでしょうか。


 

20171120日午前9時、私はまさかの中咽頭がん宣告を受けました。そして、その事実を誰よりも早く自分の口から伝えたのは、職場の上司でした。病院を出て、意識が朦朧とする中で会社に戻り、検査の結果を上司に報告したのです。

 

重苦しい空気の中、私は切り出しました。

    

「すみません、がんになってしまいました……」

     

私は自分で言うのもおこがましいですが、それなりに仕事に対して強い責任感を持っており、上司もそれは知っていました。その上でこう言ってくれました。

     

「仕事のことはこちらに任せて、ちゃんと戻ってこられるように、とにかく治療に専念しなさい。そのために必要なことは何でも言ってほしい」と。

     

その後も上司は、この言葉の通り、私の治療を最優先に、業務の整理や精神的なサポートに努めてくれました。おそらく背後には、さまざまな調整や社内コミュニケーションがあったでしょう。でも、それらには一切触れることなく、私の治療を後押ししてくれました。

 

復職後も、段階的な業務配慮や個別の定期的な面談など、いち部下である私に心を配ってくれました。「焦らずゆっくりやっていこう」と。

あいにく、私のほうがせっかちなので、「もっとやれます!」と自分に負荷をかけようとしましたが、そんな私の心に適度にブレーキをかけてくれました。

今、復職から一年以上が経過し、自分でもようやく治療前程度には動けるようになったかなと思いますが、やはり、最初からこのペースで無理をしていたら、どこかでしわ寄せがきていたでしょうね。

 

もちろん仕事ですし、給料をもらっている以上、たとえ罹患者であっても一定の成果が求められます。ですから、上司としても、甘やかしすぎるわけにはいかないでしょう。

 

しかし、長期的な視点で罹患した部下にかかわってくれるのであれば、きっとその部下にもその気持ちは伝わり、「がん罹患経験」という武器を手に、新たな成果をあげていくのではないかと経験上思うのです。

 

(了)